教育ICTリサーチ / 造形教育研究部・考える力研究部 ~クリエイティブな人材育成研究ブログ~

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学校で使えるクリエイティブデザインアイデア#18:アンケート(解答用紙)を記入しやすくする4つのコツ

 この連載では、学校の先生が普段使えるクリエイティブデザイン観点でのアイデアやポイントをご紹介させていただきます。
 今回は、学校から保護者やお子様宛に、アンケートを配布することがあると思いますが、その用紙を作る際に活用できる4つのコツを紹介します。

以下のアンケートを例に改善案とコツを紹介していきます。
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1)質問と回答欄を離さない!

 上記例は、パッと見きれいに作られたように見えるかもしれませんが、回答する人のことをまったく考えていないデザインになっています。紙の左側に質問があり、それに対応する回答欄が同じ行の右側にありますが、距離的に離れているので、どの質問の回答欄なのかがわかりにくく、それを補うために質問の項目数が書かれている状態です。これにより少しはカバーできているかもしれませんが、そもそも距離が離れて分かりにくいという問題は解決されていないので、回答する人の認知の流れとしては、以下のような感じになります。

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<1> 質問内容を読む。
<2> そのまま視線を右側へもっていき、解答欄にある数字を認識する
<3> 視線を左側に戻して、質問内容と質問の項目数を一致させる
<4> 視線を右側にもっていき、項目数が一致する欄に回答を書く

 回答に悩み、質問を読み返したりすることも考えると、何度も視線が紙の左右を行ったり来たりするので、それだけでとても疲れてしまいます。距離が離れてしまってわかりにくいのであれば、解決策としては、距離を近くすべきです。

 過去に、関連要素ごとにまとめてわかりやすくするグルーピングを紹介しましたが、それと似た考え方です。
blog.ict-in-education-cr.jp


2)回答ルールが異なる質問がある場合は、ルールごとにまとめる!

 上記例は、回答ルールとしては、①②③④の4段階でするものと、該当するものに「○」または「未」をつけるものの2種類ありますが、回答ルールごとにまとまってなく、以下のような構成になっています。

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  • ①②③④の4段階の回答
  • 「○」または「未」をつける回答
  • ①②③④の4段階の回答

 質問の内容がカテゴリ的に異なるので、まとめると逆にわかりにくくなってしまう場合は、まとめる必要はないかもしれませんが、上記例の場合は、同じようなカテゴリの質問なので、まとめた方が回答する人にとっては親切です。まとめていれば、回答ルールが変わったと思考を切り替える回数が1回で済みますが、上記例だと2回切り替える必要があります。

 また、回答ルールが切り替わるところがパッと見でわからないので、間違って回答を書いてしまう可能性もあります。上記例だと、回答ルールが切り替わっていることよりも、質問のカテゴリである「A 教育方針について」「B 活動内容について」が目立っていますが、質問のカテゴリを認識させるよりも、回答ルールが変わっていることを認識させる方が優先度としては高いのではないでしょうか。


3)誤解しない回答ルールにする!

 上記例は、4段階の評価を①②③④でつけ、①がいちばんいい評価(とてもあてはまる)で、④がいちばん悪い評価(まったくあてはまらない)となっています。しかし、この数字の評価では、逆にいちばん大きい数字の④がいちばんいい評価で、いちばん小さい数字の①がいちばん悪い評価だと誤解させてしまう可能性があります。このように誤解を招く可能性がある回答ルールだと、正確な回答を得ることが難しくなってしまいます。ABCDや◎〇△×のように、Aや◎がいちばんいい評価だと凡例を確認しなくてもわかる回答ルールにする必要があります。また、上記例は、質問項目に数字を使用しているので、評価の①②③④と被り、余計な混乱を招いてしまう可能性があります。


4)できるだけ回答者の手間を省く!

 4段階評価は、凡例を作って文章ではなく数字を書けばいいようにしていますが、選択式の回答なので、字さえも書かずに○だけすればいいようにできます。アンケートは答える時間を要し、質問内容によっては簡単には答えられないものもあったりして、面倒なので、自分に直接メリットのないものに積極的に答えようという人は少ないです。そういう人でも答えてもらえるように、できるだけ回答者の手間を省いてあげることが大事です。さらに、選択肢の中から○をするということがわかるように、選択肢自体に破線の○をつけると、より親切かと思います。



▼上記4つのコツをもとにした改善案
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 記入しやすくするコツなので、アンケートだけでなく、テストの解答用紙作りにも十分活用できます。作った際に、記入しにくい箇所はないか、記入の仕方で迷わせてしまうような箇所はないかという目線でチェックをしてみてください。


(前田)