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教育ICTリサーチ / 造形教育研究部・考える力研究部 ~クリエイティブな人材育成研究ブログ~

「図工」「美術」「情報」「総合」など、発想力・創造力・考える力を育成する教育プログラムや方法、実践などを紹介します。

【開発秘話】 情報分析・問題発見からプレゼンまで実習を通した、情報科カリキュラム@八王子学園八王子高等学校 #5・6

 この連載では、八王子高等学校の情報科の授業の様子と共に、そのカリキュラムの開発秘話を紹介いたします。今回は、全8回のうちの5回目と6回目の授業についてです。
5回目はこれまでまとめたものを使って、スライド資料をまとめる回で、6回目はそのスライド資料を使ってプレゼンのリハーサルをする回です。

 1~4回目のレポート内容は、こちらをご覧ください。
blog.ict-in-education-cr.jp

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スライド資料をまとめる際に、引用元の明記の仕方・著作権についても学ぶ!

 5回目の授業では、スライド作成の実習がほとんどですが、スライドをまとめるにあたって情報収集した先の引用元を明記したり、著作権を考慮することが必要になってきます。今回のスライドは公に発表したりはしませんが、スライド上で使用する画像については、著作権を考慮して、パブリックドメインのものか、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのもので使用条件を満たしたものを使用するようにしました。実習の中で必要となる直前で説明することで、知識と実習をすぐに結び付けて考えられるようにしました。

 授業内での著作物の扱いについては、ある程度認められてはいますが、実習の中で引用すればOKとしてしまうと、「授業内だけ」と伝えていたとしても、知識よりも体験の方が記憶に残りやすいので、社会に出てから「えっ!?」ということになりかねません。使用する画像を狭めることは、スライド自体の自由度を狭めてしまいますが、特に情報科の授業においては、きちんと著作権を意識させる必要があるかと思います。

 生徒たちの様子を見ていると、必要な情報を探し見つけることは特に問題なくスムーズに行えているようでしたが、情報を探すことやスライドを作成することに集中しているのか、情報の引用元を記載することをうっかり忘れてしまっている生徒が多い印象でした。スマホの普及により、ネット検索のスキルは高くなってきていますが、著作権についての意識はまだ低いように感じました。おそらくこれまで作品制作や資料制作、文化祭のポスターなど、学校内で自由にキャラクターを使用しても問題ない・意識する必要がない環境だったことも影響しているのではないかなと思いました。
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最終的な成果物・スケジュールをこまめに意識させること

 6回目の授業では、プレゼン本番に向けてリハーサルを行う回でしたが、この回までに終っていないグループや、グループのメンバーが休んで終わらず、クラス全体でリハーサルを行うというよりは、できたグループは個別にリハーサルをし、終わっていないグループはスライド作成の続きをやる、という状態になり、本番さながらのリハーサルを行うことはできてなかったようでした。

▼個別にリハーサルをしている様子
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 その原因として考えられるのは、生徒自身が「最終的な成果物・スケジュールを意識できていなかった」ということではないかと思いました。今回のカリキュラムは、本来2学期で終了するものとして作成したものですが、2016年度は、これまでの既存のカリキュラムとの調整上、2学期の途中から始め、3学期終わりまで実施した形です。ちょうど今回の5回目くらいから3学期に入って実施したのですが、4回目の授業から約1ヵ月半程、間が空いてしまったので、4回目までにまとめた内容自体を生徒が忘れてしまっているようでした。最終的な成果物であるスライド資料の作成やそれを使ってプレゼンをすることをすっかり忘れてしまっている生徒がいて、スムーズにスライド作成に入れなかったり、グループで意見がかみ合わなかったりすることが多かったようでした。

 また、先生によっては、リハーサルをする回というのを、コミットしていなかったことも原因の一つかなと感じました。決められた日までになんとしてでも完成させるということを前もってコミットしておけば、その日までに終わるように、昼休みや補講の時間に作業をすることは可能だったと思いました。


次回は、7・8回目(最終回)です。いよいよプレゼン本番の授業です。


(前田)