教育ICTリサーチ / 造形教育研究部・考える力研究部 ~クリエイティブな人材育成研究ブログ~

「図工」「美術」「情報」「総合」など、発想力・創造力・考える力を育成する教育プログラムや方法、実践などを紹介します。

カズトロジー #1: 自分たちで場を作る意識を持たせ、抵抗感なく考えを発表できるように、授業内の約束事を児童たちに考えさせる

 弊社は、昨年度より大乗淑徳学園淑徳小学校様の放課後教室「淑徳アルファ」にて、小学校1年生~3年生を対象に、コンピュータを使って算数力と論理力を養う「カズトロジー」という授業を提供しています。「カズトロジー」では、児童たちがふだん習っている算数や国語などの学校の授業にはない「正解のない問題」にも取り組んでもらうことで、自分で考えること、考えたことを説明することを習慣づけるようにしています。
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自分たちで場を作る意識を持たせる

 最初の授業では、カズトロジーの紹介やコンピュータ室の使い方を簡単に説明した後に、最初の「正解のない問題」として、授業内の約束事を考えてもらいました。
 1年生クラスは13人と16人、3年生クラスは10人だったので、2人組になってもらい、2年生クラスは21人だったので、3人組にして、一緒に約束事を考え、グループで1枚のワークシートに書いてもらいました。3年生は、各自で考えた約束事のアイデアの中から2つ選んで全体に共有し、さらにそこから2つ選ぶという合意形成の練習も実施しました。

 児童たちは、お父さんお母さんや先生など、大人が決めたルールに従うことが多いかと思いますが、自分たちでルールを考えるということをすることで、自分たちで場を作る意識を持たせることができると思います。

書いている内容を見て、児童たちの価値観を知る

 約束事などの内容は、自分が嫌だなと思っていたり意識していること、もしくは、普段お父さんお母さんや先生からよく注意されることを書き表すものです。書いている内容を確認することで、どういう価値観を持っているのか、普段どういったことを注意されているのか、児童たちのことを知るヒントにもなります。

例えば、1年生で、以下のような約束事を書いている児童がいたのですが、

  • じぶんでおもったことをやらない
  • せんせいがいったことする
  • せんせいがおわりといったらやめる

自分で考えて行動したり、発信したりすることに抵抗感があるのかもしれないなというのがわかります。

 自分で考えたことを、頭ごなしに否定してしまうと、「間違いたくない」「失敗したくない」「言われた通りにしよう」という思いが強くなってしまうものです。「カズトロジー」では、児童が発言したことに対して、「それは違うよ」とは言わずに「なぜそう考えたの?」と児童が考えたことの理由を聴くようにしています。そうすることで、「どんな考え方でも、ここでは発言しても大丈夫だ!」と思ってもらうようにしています。

抵抗感なく、積極的に考えを発表できる

児童たちの価値観を拡げる

 1~3年生まで、どのクラスも発表を実施しましたが、元気よく手を挙げる児童が多かったのが良かったと思います。時間がなく、全員発表できないと、「えぇ~発表したかった~」と本当に残念そうにする児童がいるほどでした。
 正解のないことに最初に取り組むことで、自分の考えを発信しても間違いにはならないので、自分の考えを発信することに抵抗なく発表しやすくなります。児童たちが考えた約束事には、「やってはいけないこと」「するべきこと」が多く出てきましたが、一見約束事なのかな?とも思えるものも極力受け入れ、認めてあげることで、児童たちの発想の幅を広げていけたらいいなと思います。

(前田)